アプリでの大人の関係には病気感染のリスクがある?
出会い系アプリやマッチングアプリを使って気軽に出会う人が増えた昨今、アプリでの出会いから大人の関係(性交渉)を持つことによって、従来から広く知られているクラミジアや淋病、梅毒などの性病のほかにも、子宮頸がんを引き起こす要因とされるHPV(ヒトパピローマウイルス)の感染リスクが懸念されています。
特に、大人の関係(性交渉)ありでのパパ活をする女性が増え、以前よりも多くの若い世代の女性が不特定多数の男性と関係を持ちやすくなっている現在の状況においては、アプリでの出会い、そして関係を持つことは性病やHPVの感染リスクを大きく高めている要因と言えるでしょう。
この記事では、出会い系アプリやマッチングアプリでの出会いを通じた性交渉による感染症のリスクの実態を調査するとともに感染症にり患しない、させないための対策について紹介します。
出会い系アプリを梅毒蔓延の温床と指摘する声
ここ数年、梅毒に感染する人が急増しているとのニュースは度々報じられてきましたが、その温床として出会い系アプリの存在を指摘する声が挙がっているようです。
急増しているのが20代女性で、3年間で約10倍になった。18年1~9月の患者統計によると、20代女性は893人で全体(5081人)の2割近く、女性患者(1730人)の5割を占めた。男性は20~40代の幅広い年代に広がる。地域別では東京都(1284人)や大阪府(874人)など大都市部で目立つ。
主な感染経路として、性風俗産業の利用者と従業員の接触がある。新宿区保健所が区内の医療機関を受診した患者を調べたところ、異性間性的接触による感染のうち、男女とも約半数は性風俗産業を半年以内に利用したか、関連の仕事に従事していた人だった。
さらに、出会い系アプリやソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)の利用を指摘する専門家もいる。出会い系アプリは簡単な操作を売りにして12年ごろから普及し、売買春の温床にもなっているとされる。保健所の相談窓口でもここ数年、これらの利用を明かす相談者が出てきた。
- ※引用元:「梅毒患者、48年ぶり6000人超 出会い系アプリ一因か – 毎日新聞」
記事では併せて、出会い系アプリが梅毒蔓延の温床となっている可能性について「アプリ利用による男女の接触が新たな感染経路になっている可能性があり、詳細な調査と対策を急ぐべきだ」と懸念する医師の声を紹介しています。
レズの出会い系アプリって性病媒介アプリって言われてるけど、その点トッポってすげぇよな。最後までチョコたっぷりだもん。
— エロ姉 (@erone_114514) October 17, 2021
薬学部の友人が出会い系アプリが登場してから性病者数が爆増してるって言ってたから気をつけようね!
アプリやったことないけど🙃
— 変態紳士五代目会長@デレ垢 (@SeNa_Sea_JPN) August 17, 2021
一回関係もったあと連絡とれなくなって、お土産(性病)だけ残されたなんてのはよく聞く話だよね
みんながそうだとは言わないけど、そういうことする人もいるから、出会い系アプリは慎重に人選ばないとね— ※e-r-a-c (@erac_luck) August 17, 2021
専門家だけではなく「一般の声」にも出会い系アプリやマッチングアプリでの性病の蔓延や罹患に関する懸念は広まっています。
援デリ業者の女性と関係を持つことで性病に感染するリスク
出会い系アプリが梅毒感染者が急増する一因となっているとの指摘が当たっているとすれば、思い当たるのは、援デリ業者の派遣する女性の存在とその女性たちと会って関係を持ってしまうことで性病をうつされてしまう危険性です。
残念ながら、援デリ業者が出会い系アプリで捕まえた男性客との待ち合わせの場所へ派遣する女性たちは、性病の検査などをまともに受けさせてもらえていない人たちばかりです。
そして、出会い系アプリを使って捕まえた客の元へと日々何回も派遣されるなど、不特定多数の男性と肉体関係を持つので梅毒をはじめとする性感染症にかかるリスクも高いのが実態です。
そういった意味では、出会い系アプリが梅毒感染者の急増の一因となっている可能性は否定できないと言えるでしょう。
以下のスクショ画像はハッピーメールでの援デリ業者の実態について調査した際に、実際に業者から送られてきたメッセージの一部です。
ホテル代は別で生で3はどうですか?
このように、業者はコンドームなどの避妊具なしの生セックスで会おうと誘ってくるケースも珍しくありません。
そして、その誘いに応じてしまう人も残念ながらいるのが現実で、そうした人を介して性感染症やHPVなどの感染が広がる懸念があるのです。
業者を的確に見分けることなどで性病に感染する危険性は避けられる
出会い系アプリを使って女性と出会い、体の関係を持つことで性病にかかってしまう危険性があることはたしかですが、性病にかかるリスクは少しの心がけで避けることができます。
まずなによりも大切なのは、援デリ業者に釣られないことです。前述の通り、出会い系アプリを使って客を募っている援デリ業者の派遣する女性と会って関係を持ってしまうと、最悪の体験をさせられるだけでなく梅毒などの性病をうつされるという、さらなるオマケがつく危険性が高いからです。
出会い系アプリの男性ユーザーの中には、援デリ業者を見分けられずに女性と待ち合わせてしまった結果、逃れられずにお金を要求され支払い、何もしないままでは帰れないという思いから、援デリの女性とも関係を持ってしまう人も少なくないですが、絶対に止めておきましょう。
援デリの女性とのセックスは決していいものではないですし、梅毒などの性病にかかる危険性を冒してまでする価値は絶対にないです。
援デリ業者のほかにも、出会い系アプリで繰り返し何度も割り切りの出会いやエッチを繰り返している素人女性と出会うのも避けた方がいいでしょう。そういう女性は、援デリの女性ほどではないにせよ、不特定多数の男性と肉体関係を持つことで性病にかかっている危険性があります。
いずれにしても、出会い系アプリで梅毒など性病をうつされる危険性は、男性でも女性でもお金と引き換えに会おうとする人を避けることでほとんど回避することができます。
そういう人は待ち合わせの約束など会う話になると、必ず金銭の要求などお金の話をしてくるので見極めるのはとても簡単ですし、誰でも簡単に危険を避けることができるのです。
パパ活目的の出会いの急増により感染リスクが高くなっている
ただし、冒頭でも紹介したとおり、業者と会わないことで感染リスクを避けることはある程度できる一方で、近年急激に増加しているパパ活での出会いを通じた性感染症の罹患リスクは高まっていると懸念されます。
パパ活を目的にpaters(ペイターズ)やpaddy67などのアプリに登録している女性の多くは、大きく以下の3つのタイプに分かれます。
- 「定期」や「長期」で会える特定の男性と付き合う女性
- 不特定多数の男性との割り切り交際を繰り返す女性
- 「定期」や「長期」で会える特定の男性を探しつつも関係が長く続かず、結果として不特定多数の男性との割り切り交際を繰り返してしまっている女性
大人の関係(性交渉)ありのパパ活が目的の女性のうち性感染症の罹患リスクが高いのは、2番目と3番目のタイプの女性たちです。
このような不特定多数の男性との割り切り交際を繰り返している可能性が高い女性と関係を持つ男性も罹患リスクが高いです。そして、そうした男性がさらに別の不特定多数の女性と関係を持つことよって蔓延リスクが高まるという構図になってしまっているのです。
性病や感染症に罹らないための対策
よく聞かれる声としては、「セックスの際コンドームを装着していたら感染症の心配はない」という意見ですが、残念ながらコンドームだけでは感染症は防げないのが現実です。
厚生労働省のサイトによると、HPVは以下の経路感染すると説明されています。
- HPVは主に性器接触で感染し、ほとんどの人は性交渉体験後まもなくHPVに感染します。
- 子宮頸がんは、性行為により感染した特定の種類のHPVによって引き起こされます。
- 子宮頸がん及び頸部前癌所見の70%は16型または18型のHPVを原因とします。
- HPVは肛門、外陰部、膣、陰茎の癌と関連があるという証拠もあります。
- ※引用元:ヒトパピローマウイルス(HPV)と子宮頸がんワクチン (ファクトシート) – 厚生労働省検疫所「FORTH」
また性器接触だけでなくフェラチオやクンニリングスといったオーラルセックスでも感染するリスクがあるとされています。
子宮頸がん・HPV(中高リスク) / 症状について
感染してから症状が出るまでの期間 : 数年から数十年感染から数年から数十年、症状が出ません。
症状はありません。尖圭コンジローマを発症するHPV(型)とは違うHPV(型)が
体内に残り細胞をがん化していくことがあります。近年、オーラルセックスにより咽頭等に感染し、がん化する可能性があると言われています。
男性でもクンニングスなどの性交により咽頭へ持続感染することがあり、
咽頭がんを発症する可能性があると言われています。
- ※引用元:子宮頸癌について | 性感染症(STD)・性病検査の予防会
注目したいのは、おそらく多くの男性が知らないことであろう、HPVには男性にも咽頭がんの発症を引き起こするリスクがあることです。
HPVに関する罹患リスク、そしてそれが引き起こす重篤な病気のリスクが男性にもあることはまだあまり広く知られているとは言えません。
出会い系アプリやパパ活系のマッチングアプリでの出会い、そして大人の関係にはこのように単に健康を害するだけでなく、生死に関わる重大な病気の要因となり得ることはより多くのアプリユーザーが知っておくべきでしょう。
そして、感染症の罹患リスクを避けるためにはコンドームなどの避妊具の装着はもちろん、基本的に不特定多数の相手と性交渉をしないことが何よりも大切です。
ここがポイント! – 記事の概要とまとめ
- 出会い系サイトや出会い系アプリを使って異性と性交渉することには、梅毒をはじめとした性感染症に罹る危険性があり、そのリスクは患者数の急増などにより年々増していると考えられる
- 出会い系アプリを介しての出会いや性交渉などにより梅毒罹患者が増えている背景には、一般の利用者による不特定多数の相手との性交渉以外にも、援デリなどの暗躍も影響している可能性がある
- 相手の素性をよく調べた上で関係を持つ相手を慎重に選ぶことや、コンドームの使用の徹底などすること、援デリと疑われる女性とは会わないことなどにより性病に罹る危険性を減らすことは可能
- ただし、近年はパパ活の出会いが流行っていることもあり不特定多数の相手と関係を持つ人が男女共に増えていて一般的な性病だけでなくHPVなどの感染リスクも高まっている
- 不特定多数の相手と性交渉をしないことが何よりの対策