ハッピーメールの運営会社社長が逮捕された事件のまとめ
2015年11月30日、ハッピーメールの運営会社、株式会社アイベックの社長らが、サイトで売春のやり取りが行われていることを知りながら、書き込みを削除しなかったとして売春防止法違反のほう助の疑いで逮捕された、というのが事件のあらましです。
ハッピーメールの運営会社がサイト内で売春を交渉するメールのやり取りがサイト内で行われていることを知りながら、メールや掲示板への募集書き込みを削除していなかったことが逮捕に至った最大の要因と報じられています。
業者が斡旋していた女性に18歳未満の児童が含まれていた
事件の詳細をひも解くと、事件の問題の本質は、売春斡旋業者が客となるハッピーメールの男性登録者に対してあてがっていた女性の中に、出会い系サイト規制法で利用が禁じられている18歳未満の未成年者(児童)が含まれていたという点にあると考えられます。
読売新聞(YOMIURI ONLINE)のニュースを引用します。
今年4月に17~19歳の少女2人に売春させていたとして逮捕した売春クラブの経営者が、同サイトに書き込んでいたことから発覚した。
ハッピーメールは規制法の定めに則り、18歳未満の児童がハッピーメールのサイト/アプリを利用できないよう、クレジットカード認証や身分証の提示による年齢確認をきちんと行っているので、普通に考えれば少女らがハッピーメールを通じて売春や買春の被害者になることは基本的にあり得ません。
18歳未満の少女が売春の被害者となってしまった背景には、出会い系内で暗躍する売春組織の実態や手引きの悪質な手口があります。
なぜ18歳未満の未成年が含まれていたのか?
18歳未満の児童が自ら売春交渉を行うためにハッピーメールに登録していたわけではなく、業者らが架空の女性(援デリのサクラ)として登録し、客引き・交渉を行い、少女らを待ち合わせ場所に派遣するという手口で売春の斡旋を組織ぐるみで行っていたというのが実態です。
客を捕まえるメール専門の交渉要員が、利用できないはずの少女になり代わってサイトに登録し交渉役を担っていたために、ハッピーメールの年齢認証手続きや監視の目を掻い潜り、結果として少女らが被害に巻き込まれてしまったというわけです。
業者による客引き行為が目に余っていたハッピーメール
たとえ売春組織が女性になりすまして登録したとしても、ハッピーメール側で違法な書き込みがないかをチェックし適宜削除していれば問題がこれほど大きくなることはなかったはずです。
しかし、残念なことにハッピーメールでは、違法売春組織によるサイトの悪用(売春を交渉するメールのやり取りや掲示板への書き込みの投稿)を厳しく取り締まっているとは言えない状況がここ最近続いていました。
個人的にハッピーメールを利用していても、ログインすると必ず売春業者のサクラと思われる女性から勧誘のメールが届いたり、「いいね!」が送られてくるなど、こうした業者の存在は数年前に比べて著しく目立つようになってきていました。
出会い系業界全体を覆う、援デリ業者が暗躍している問題
こうした違法売春組織による出会い系の悪用問題は、ハッピーメールに限ったことではないというのが、問題の深刻なところです。援デリと言われる売春斡旋業者は、ハッピーメールに限らず他の出会える系の出会い系にもかなり深くまで浸透しています。
出会い系業界では、こうした売春斡旋業者は「援デリ業者」として知られています。援デリの業者はハッピーメール以外の出会い系でも同様の手法で男性登録者相手に盛んにメールで金銭での割り切りや売春の交渉を持ちかけています。その手口は、違法風俗(管理売春)ではなく、あたかも一般の女性が個人的に援助交際をもちかけているかのように見せかけて男性を釣りだすというものです。
出会い系に慣れていない、登録したての男性などは相手が組織ぐるみで活動する違法売春斡旋業者であることを認識していないケースがほとんどで、理解していたとしてもどこかの風俗店ぐらいだろうという程度にしか考えていないことが多いです。そのため、安易に交渉に応じて言われるがままに待ち合わせてしまうという人が後を絶ちません。そして、そのことが援デリ業者が益々はびこる状況を助長してきたという側面があります。
出会い系から援デリ業者の排除が進まない理由
いくら援デリ業者が隠語や伏せ字を駆使し一般の女性になりすまして援助交際を装って巧みに売春の交渉を持ちかけていたとしても、出会い系の運営業者がしっかりとサイト内を監視し、メッセージや書き込みを削除する措置を徹底すれば、現在のように援デリ業者をのさばらせることにはならなかったはずです。そして、それは決して難しいことでは決してありません。
では、なぜ現状のように援デリ業者による出会い系の悪用が顕著になってきたのか?その背景には、サイト運営者の都合と男性登録者の出会い系の使い方に関する問題があります。
援デリ業者がいることによって儲かる仕組みの問題
今回摘発対象となった、ハッピーメールをはじめとした出会える系の出会い系から援デリ業者が排除されず、むしろ年々増加している背景には、援デリ業者がサイトを使うことで得られる経済的なメリットがあるという特有の事情があります。
ハッピーメールなどの出会い系では、男性がメールを送信するのに1回あたり50円(5ポイント)かかります。業者とのメールのやり取りは一回で完結することは少なく、交渉が完了するまで通常は何回もメールを送信することになるので、一人の男性登録者が交渉を終えるまでに支払う送信料は合計で数百円程度になります。援デリの業者のサクラはサイト内に何万人という単位で登録しているので、その総合計は想像を超える規模の額にまで膨れ上がることになります。それはそのままそっくりサイト側の売上・収益になるわけですから、サイト運営者にとっては援デリの業者がいることによってかなりの金銭的なうま味を得られるという構造になってしまっているのです。
風俗代わりに安易に業者の誘いに応じてしまう男性利用者
売春斡旋業者が出会い系に大量にいたとしても、それに応じる客となる男性がいなければ、援デリ業者がここまではびこることはありません。単純に男性登録者が無視してしまえば、援デリ業者にとって出会い系を悪用するメリットはなくなります。ところが残念なことに、一部の男性登録者の中には、援デリ業者の誘いに安易に応じてしまっている人がいて、業者による出会い系の悪用を助長させてしまっているという問題があるのです。
つまり、相手が違法な売春斡旋組織であることを知らずに、業者の違法行為に結果として加担してしまっていることを認識していないという理解や認識の甘さが一部の男性利用者にあるということです。これはつきつめれば、金銭と引き換えに女性と関係を持つことにさして抵抗を感じることなく安易に交渉に応じるという男性側の出会い系の使い方そのものにも大きな問題があるということでもあります。
ハッピーメールをはじめとした出会い系健全化のための対策
こうした問題を改善し、ハッピーメールをはじめとした出会い系から援デリ業者を排除し健全な出会いの場となるためには、次の 3 つの対策を徹底することが必要です。
- 警察・行政当局に求められる対策
- 売春斡旋業者そのものの摘発や撲滅に向けた取り締まりの徹底
- 出会い系のサイト運営者に求められる対策
- 援デリ業者をはじめ売春に関するメッセージのやり取りや書き込みの投稿の制限・削除
- 出会い系利用者に求められる対策
- 援助交際など金銭と引き換えに性交渉を求める女性(業者か素人かに関わらず)とは一切関わらない
特に、サイト運営者は、現状のような売春の交渉を事実上黙認するような対応はすぐさま改善することが必要ですし、業者に釣られてしまっている男性利用者も、相手が時には少女らにも売春を強制させるような違法業者であることを十分認識するとともに、風俗(援デリ)業者からのメールの手口や特徴について理解を深め、一切の交渉に応じないことが強く求められます。
ハッピーメールが安全で優良な出会い系へと戻ることへの期待
これまで、ハッピーメールで何度も出会ってきた体験をしてきたこともあり、個人的には思い入れが強い出会い系サイトの一つです。そうした立場からすれば、現在のようにハッピーメール違法業者に荒らされ、そしてそうした状況が放置されきた状況は残念で仕方ありません。
一人の利用者としては、ハッピーメール、そして出会える系の出会い系全体が以前のように一般の人同士が気軽に楽しく、そして安全に出会えるサイトとして復活することを期待するばかりです。そのためにも、このブログに目を通していただいた皆さんとともに援デリ業者の排除と出会い系の健全化に向けて上記の対策を徹底できることを切に願います。
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ここがポイント! – 記事の概要とまとめ
- ハッピーメールの運営会社社長が摘発された事件の背景には、ハッピーメールをはじめ出会える系の出会い系に援デリ業者が深く浸透しているという問題がある
- 出会い系の運営会社は、客の男性が業者相手にメールを送ることでポイント代金を得られるという経済的なメリットがあるため、完全な排除への取り組みが甘くなりがち
- 男性利用者の一部には、“手軽な風俗を利用するような感覚”で援デリ業者の派遣する女性と会う人もおり、そのことが業者による更なる悪用を招く要因となっている
- 援デリ業者の誘いに応じることは違法行為に加担することであり、性病をうつされたり、美人局紛いの被害に遭うなど自分にとっても何一つ良いことがないことを理解し徹底的に無視することが重要